大手事業会社からコンサルティング業界に飛び込んだばかりの頃、希望に満ち溢れていた私は、
どれくらいでいっぱしのコンサルタントになれますか!?
と聞いた覚えがあります。
たしか、パートナーからは
う~ん、人にもよるけど、やっぱり”もの”になるまで2年間は覚悟しておいたほうが良いね
みたいなことを言われました。
そして、気づけばその2年間をとうに過ぎ、コンサル生活4年目を迎え、今年で30歳。
僕がコンサルとして”もの”になったかはさておき。
最近、コンサル、辞めたい!
と思うことが増えました。
同時に、辞めてどうする?
ということも考えるようになりました。
この記事では、僕がなぜコンサルを辞めたいのか、辞めた後どうしたいのかをつらつらとご紹介します。
なぜコンサルを辞めたいのか
コンサル生活でつらいことは以下のとおりです
- 成長は出来たかも…でもそれ以上に精神的にも肉体的にもつらい!
- 周りが優秀すぎてつらい!
- やりたいことをする時間がなくてつらい!
精神的にも肉体的にもつらい!
コンサルと聞いて真っ先に思い浮かぶのが、長時間労働等のハードワークだと思います。
確かに、プロジェクトの最終局面なんかは作業やレビューが連日深夜に及ぶこともあるので正直きついです。
ただそれ以上にきついのがクライアントからの過大な要求(言い過ぎ?)や、上司からの執拗な詰め(言い過ぎではない)に耐えることなんです。
プロジェクトの前後には業界の最新動向を把握し、
マネージャーの資料の好みやコミュニケーションの取り方を勉強し、
クライアントとの定例ミーティング直前には夜中まで続くレビュー地獄を喜んで受け入れ、
長期常駐案件にも「是非やらせてください!」と前のめりの姿勢をアピールする。
それでも
何この資料。全然イメージと違うんだけど。
つまり何が言いたいの?
スコープが変わったけど、柔軟に対応してね
何で早めに相談しなかったの?
(早めに相談したら)ある程度具体案まとめてから相談してよ
これ、月曜日の朝までに作成よろしく。時間あるから大丈夫だよね。(金曜日深夜)
う~ん、イマイチ刺さらないね
という風に、どれだけ頑張っても評価されずに落ち込むこともしばしばあります。
理不尽。
仕事が上手くいかない時は、まず自分のスキル不足や仕事の進め方を疑いますが、最近では
「これは上司のマネジメントが悪い!」
「クライアントとスコープを握っていなかったのが悪い! 」
と他人のせいにすることで精神的安定を保っています。笑
私が入社1~2年目に感じたコンサルという働き方の率直な感想は下記をご覧ください。
周りが優秀すぎてつらい!
コンサルティングファームには優秀な人間が多いです。
地頭が良いだけでなく、ハードワークを厭いません。
その上で、細かいミスもしません。
マネージャーともなると、平日は平然と夜中の3時や4時まで仕事をし、金曜日夜にぶん投げたはずの資料のレビューが土曜日朝には返ってきています。
また、インターンシップやセミナーの講師等、プロジェクト以外の仕事にも意欲的に取り組みます。
「自分は今日バリューを出せたか?昨日の自分よりも成長できたか?」
このようなことを、日々自分に問い続けることができるのです。
まさに超人。
自分が結果の出ない中、コンスタントに結果を出している「優秀」な人間が周りにうじゃうじゃいる。
わたしのような普通の人間は、自分と周囲との差を感じて自己嫌悪に陥ってしまいます。
つらい。
やりたいことをする時間がなくてつらい!
イメージと違うかもしれませんが、意外にも休日に仕事をすることはあまりないです。
奥さんと近所の公園を散歩したり、読書をしたり、テニスをしたりと充実したお休みを過ごしています。
それでも!
圧倒的に平日の時間が足りない!
「週末に時間があるのだから良いじゃん」と思われるかもしれませんが、
平日は基本的に8時~23時ごろまで仕事しているため、終業後はシャワーを浴びて寝るだけです。
あ、ご飯は就業中に適当に食べてます。
資格試験の勉強や気になっていた本、プログラミングや英語等のスキルアップ、好きなYoutube動画・アニメ、奥さんとのお喋り、ランニング、家事等々、平日の夜にもやりたいこと(やるべきこと)は盛り沢山です。
これらを週末だけに詰め込むのは無理があります。
しかし平日には時間がほとんどない。そうなるとどうするか。
- やりたいことを諦める
- 寝る時間を削ってやる
必然的にこの2択になりますが、1は精神的に、2は肉体的に良くありません。
ではどうするか?
コンサルを辞めるしかないでしょう!
で、コンサルで何ができるようになったの?
今の仕事を辞めるにあたって、まずは自分のスキルの棚卸を行います。
仕事を見つける上では、「どんな仕事があるのか?」ではなく、「自分に何ができるのか?」からスタートすることが近道だと思っています。
この章では、数年コンサルをかじった私に何が身に付いたのかを考えていきます。
考える力(論理的思考力)
コンサルタントの仕事はクライアントの抱える大きな問題・課題を解決することです。
そのためにはこの「考える力」が欠かせません。
論理的思考力とも言います。
具体的には、どこから手を付けて良いか分からない大きな課題を解決可能な大きさまで砕き、優先順位をつけ、解決策を仮説立てし、検証する。
こういったことほぼ毎日のように繰り返し行うので、嫌でも身に付きます。
ただし、解決策はクライアントがすでに何年も検討しているため、一朝一夕のリサーチや思考で得られた初期仮説はゴミ同然のものになるのが辛いところです…
表現する力(ドキュメンテーション)
いくら素晴らしいことを考えてもそれがアウトプットされなければお金をもらうことは出来ません。
コンサルの現場では、議事録やパワポ資料等、文章と図解による表現力をこれまた嫌というほど叩き込まれます。それも事業会社とは比べ物にならないくらいの量と質が求められます。
たかがスライドと言えど、その1枚で一つの企業の行く末が大きく変わることもあり、それだけに完成度の高いアウトプットが求められるのです。
スライド作成時は、罫線やオブジェクトの色等マネージャーの「好み」に振り回されることもしばしば。その時はさすがに「どうでもええわ!」と思います。
伝える力(プレゼンテーション)
スライドだけ作って終わりかというとそれも違います。
コンサルの本領は「動いてもらうこと」
聞き手にスライドの内容を理解してもらい、確かに必要だ!と思っていただくようなプレゼンが重要です。
また、コンサルは容赦なく1年目のペーペーでも百戦錬磨の経営陣の前でプレゼンをする機会もあるため、度胸も身に付きます。
実際にはでっかいスクリーンの前でポインタを使って身振り手振りで行うスタイルのプレゼンは少ないです。
ロの字型に配置されたテーブルに座って、「お手持ちの資料をご確認いただけますでしょうか、、」等と地味なものです。笑
調整する力(プロジェクトマネジメント)
数ヶ月単位におよぶプロジェクトには、コンサルスタッフやマネージャーのほかにも、カウンターパート(クライアント側の主な担当者)、取締役等、多くの利害関係者がいます。
彼らを巻き込みながらプロジェクトをスムーズに前に進めるためには、都度合意形成したり、細かくタスク管理をしたり、急なトラブルやスコープ変更依頼へ対応したりと、直接アウトプット作成に関わること以外にも数多くの業務が存在します。
プロジェクト全体を最適な方向へと導く調整力が必要不可欠なのです。
そうはいってもコンサル入りたての頃は目の前の議事録作成でも手いっぱいです。プロジェクト全体を何となく見れるようになったのは3年目からです。
コンサル、辞めてどうする?
コンサルを辞めた後のキャリアを大きく分けるとこんな感じでしょうか↓
- 事業会社への転職
- 他ファームへの転職
- 起業・独立
事業会社への転職
コンサルを辞める同僚からよくこんなことを聞きます。
やっぱ第3者的な立場じゃなくて、「当事者」として事業に関わりたいわ~
これが本音かどうかはさておき、コンサルから事業会社へ転職する大きな理由の一つだと思います。
具体的には、大手企業であれば経営企画部門、ベンチャー企業であればCOO候補といったところでしょうか。
マネージャークラス以上でなければ、いきなり経営層へ抜擢!といった話は聞きません。
ただし、同年代の社員にない経営目線を持っていて、かつ資料作成能力やキャッチアップのスピード感もあるコンサル出身者はエース級社員になりうる可能性はあります。
興味のある分野であれば「当事者」として十分な手触りを感じながら仕事できるでしょう。
ただし、給与水準は基本的にコンサルよりも下がる傾向にあります。
また、仕事の進め方が事業会社とコンサルでは大きく異なることもあり、はじめは戸惑うかもしれません。
他ファームへの転職
これもまたよく聞く話です。
同業種・同職種への転職ということで、これまでの経験やスキルをほぼ100%活かすことが出来ますし、給与水準も同じかステップアップすることが多いかと思います。
「コンサルという仕事は好きだけど、今の会社だと頭打ちかも、、」
「社風や職場の人間関係があまり肌に合わない、、」
といった人にとっては魅力的な選択肢だと思います。
ぼくはコンサルファーム自体を辞めたいので、これはなし!もう詰められたくないよお。
起業・独立
組織に縛られず、自分が本当にしたいことを、したい時にできる。
起業・独立の最大の魅力はそこだと思っています。
しかも努力次第で年収は青天井!
コンサルで培った経営目線や経営戦略の立て方、仕事の進め方は自分で事業を始める上でも役立つものだと思っています。
ただし、大手企業の中で経営戦略を策定・実行することと、自分の責任で経営の意思決定をし、自分の力(リソース)だけで事業を立ち上げることは前提が大きく異なります。
いずれにしても自分が立ち上げたいサービスや商品についてゼロベースで知識や知見を得る必要はあると思っています。
ただし、例外として、コンサルティング業としての独立は、完全未経験分野での独立に比べるとハードルが下がります。
コンサルの仕事はパソコン一つあれば基本的に場所を問いませんし、一人でも仕事を進められる場面は多いので、自由を感じつつ、これまでの経験を活かすことが出来ます。
ただし、仕事を獲得するまでが最大のハードル・・・あと結局クライアントやプロマネの詰めは存在するのでは?
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございます。。
今コンサルを辞めようか迷っている方、また、コンサルに転職しようと思っている方へ参考になれば幸いです。
ここまで書いておいてなんですが、僕はまだこの先のキャリアについて答えを出せていません。
とりあえず30歳になるまでは悩み続けようと思います。
これからもキャリアや仕事について自分なりの考えを発信していきますので、こうご期待!
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